ちくわさんのJakarta Tidak Boleh Life

2015年 南ジャカルタを中心としたアラサー単身赴任生活

ちくわさん、『神鷲商人』を読んで感動する

日本に帰国しても全くインドネシア熱の冷めないちくわさんです。どぅも。


日本でもインドネシアを感じたいなと思い、インドネシアを題材にした小説をAmazonで探してみました。


あんまりないんですよねー、それが。インドネシア小説の翻訳も少ないし、日本人が書いたのも少ない。日本人が如何にインドネシアに興味を持ってないかってことですよ。


そんな中、気になる小説を発見!『神鷲(ガルーダ)商人』ってタイトルでまず惹かれちゃいます。

日本のインドネシアへの戦後賠償の枠組みの中で、商権争いを繰り広げる日本のビジネスマンたちと、インドネシアの国父スカルノ、そしてスカルノに見染められ、第三夫人としてインドネシアに渡ったデヴィ夫人をモデルにした、実話を元にしたビジネス小説。

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数奇な運命に翻弄されながらも、その美貌と天才的な人心掌握術で、インドネシアの大統領夫人として登りつめるデヴィ夫人(作品中はディア)を中心に、9月30日事件でスカルノが失脚し、死去するまでが描かれています。


登場する人物たちが個性豊かで、魅力的に描かれているのが印象的でした。デヴィ夫人は今のバラエティで見せる彼女の姿からは想像できないほど、美しく描かれていましたし、スカルノ元大統領も、好色だが、愛情の深い男として魅力でした。


作品中には、スカルノとデヴィ夫人の生活の舞台になったヤソオ宮殿(作品中はナツオ宮殿)を始め、当時の政治の舞台になった場所が幾つも描かれていました。現在博物館として公開されている場所もあるので、次にインドネシアに行く時は訪れてみたいと思います。


戦後賠償ビジネスで、日本は船、ホテル、テレビ塔、デパートなど、多くの箱物を作ったみたいだし、多くのインドネシア人留学生を受け入れたようです。インドネシアが第二次大戦の被害国であるにも関わらず、現在、非常に親日的な国になったのには、この時代の経済交流や文化交流が礎になっているのかなぁ、なんて想像してしまいました。


次は、インドネシア人の書いた小説を読んでみたいと思います。